UGGのある日常 Vol.3Shin Sakiura
これまでのシープスキンブーツ一辺倒のイメージからの脱却を図るべく、 2019春夏シーズンから新たなアプローチを続ける<UGG®️(アグ)>に フォーカスした数珠繋ぎ連載企画「UGGのある日常」の第3回目
今井(以下I):「UGGのある日常」第3回目になるのですが、前回のおかもとえみさんから紹介していただいたShin Sakiuraさんです。よろしくお願いいたします。 Shin Sakiura(以下S):よろしくお願いいたします。 I:本日、前回に引き続きおかもとえみさんも紹介者として、ゲストで来ていただいてます。それでは、おかもとさんからShin Sakiuraさんを紹介してください。 S:おー、気になりますね。 おかもとえみ(以下O):Shinくんは音楽家なんですけど、あんまり出会ったことのないタイプの方だなと思っています。ギターが天才的で、、、 S:ざっくりやなー(笑) O:出会ったきっかけは、私のソロでドラムで参加してくれてる堀正輝さんからShinくんに曲を頼んでみたら、と紹介を受けて、それからソロアルバムgappyの収録曲のチックタックメモリーのアレンジをお願いしたのがきっかけですね。 S:打ち合わせで近くの喫茶店入って、スマブラの話で盛り上がって、仲良くなってって流れで、その後、同じ現場やイベントで会うことが多くなって。 O:Shinくんのライブにも行くようになって、ギター演奏して、打ち込みもやって、それを全部自分でやってる人って初めて見て、、、 I:えっ、ライブ独りでやるのですか? S:はい。そうですね。最近はバンドセットみたいな形でキーボード、ドラムを入れてやることもありますし、独りでやることも。 I:エド・シーランみたいな。 S:エド・シーランみたいに歌えればいいんですけどね。 I:歌わないんですね。 S:歌えないんで、ギター弾いたり、その他いろいろパット叩いたり、って感じでやってます。でも基本は曲作る人です。
O:DJハセベさんの後押しもあって、Shinくんを紹介しました。 S:そこが意外で。DJハセベさんと言えばレジェンドじゃないですか。単純にトラックメーカーとしても大先輩ですし。何度か現場でご一緒させていただいたこともあるのですが、まだちゃんと喋れてなかったので。そこからの流れで、こう来るのか、と意外でしたし、嬉しかったです。 I:ちなみにShinくんっていくつですか? S:25です。 高見(以下T):若い!私たちダブルスコアだよ!この二人(今井と高見)揃って4倍だよ。ハセベさんいたら6倍!(笑) O:若い世代に繋げてく、ってのがテーマでShinくんを紹介しました。(笑)
I:作曲活動はいつごろから始めたのですか? S:大学3年のころなんで、21の時です。4年前ですね。それまでは、趣味でギターだけ弾いてました。大学の友達に、趣味でラップしてるやつがいたり、ストリートカルチャーにすごく精通してるやつがいたり、いろんな人たちと出会う機会があって、ビートメイクを教えてもらって、めちゃくちゃかっこいいやんけってなったのが一発目ですね。その時に、今のネオソウルと呼ばれてる人たちをすごく聴いてたので、割とそこから今に繋がっている感じです。それ以前は、ずっとオルタナロックしか聴いてなくて、今年のロックフェスどこ行く?みたいな会話を友達とよくしていました。そこからブラックミュージックにすごくはまって今に至るって感じですね。 I:なるほど。若い時からブラックミュージックにどっぷりハマってなかったから、今の感じが出せているのでしょうね。 S:それはたぶんあると思います。僕が好きな音楽って、ブラックミュージック濃度100%って感じではなくて、ロックとか、それこそダンスミュージックだとかがうまくミックスされているオルタナティブなものが多くて、そういうところは、自分の創作活動にとってもでかいと思います。 I:例えば、今までに影響を受けた日本人のトラックメーカーっていますか? S:そうですね、日本のトラックメーカーだと、ビートメイクを教わってた友達がJラップ、その時だとSALUやAKLOにはまっていて、BACHLOGIC(バックロジック)さんが最強だと教えてもらったり。あとは、NUJABESや海外ですけどJ DILLAとか教えてもらって、はまっていました。その時tofubeatsさんが「水星」出してめっちゃネットで話題になってて、そこから派生してマルチネレコードやその周辺のシーンはよく見ていましたね。渋谷にイベントにも行ったりして。あと、BASIさんをめちゃめちゃ聴いてて、その時のビートメーカーさんで、EVISBEATSさん、Small Circle Of Friendsの東さん、ヨッテルブッテルさんはめちゃくちゃ好きでした。かなり影響を受けたと思います。ああいうメロウなコード感と、でもベースはグルーヴしててみたいな。 I:J DILLAの名前が出てきたんで、なるほどと思ったのですが、Shinさんの楽曲にローファイヒップホップの匂いを感じるというか。 S:それは、めちゃめちゃあると思います。
I:デビューはいつになるのですか? S:2018年です。やり始めて2年ですね。 I:2年ですか!ディスコグラフィ見てて作品数がたくさんあったんで、もっとキャリアがあるものかと思っていました。2年で、この作品数は多作ですね。 S:そうですね。 T:卒業したら活発になって、という感じだったんですか? S:大学卒業して、就活して普通にサラリーマン2年してたんですけど、その最中に、きっかけとしてはSIRUPに出会って、彼つながりで、いろんなフェスとかに出るようになったりとか、単純にいろんな場所で自分が制作させてもらう機会を作ってもらったりとかで、そうこうしてるうちに自然といろんな人と知り合うようになって、それと並行して自分のライブとかもして、頻繁に人と会う機会が多くなって、特に去年一年とかは、本当にめちゃくちゃいろんな現場を経験させてもらって、いろんな人と関われましたね。その瞬間瞬間はそんなに大変な意識はなかったですが、確かに見返すと濃度の濃い時間でしたね。 I:それが若者の特権ですよ。おじさんの物言いになってしまいますが。 S:でも、なんか足りないみたいな気持ちですね。自分の足りないところばっかり今、見えてる感じです。 T:それが見えるのがすごいですね。 S:それがいいのかどうかは、分かりませんが、、、
I:曲作りは苦にならないタイプなんですか? S:全然苦じゃないですね。ポンポン出てくる感じです。アイデアを散らしてしまわないようにしてるので、アイデアを溜めて溜めて溜めて10個分くらい溜まったら、1個の曲にどわーってやるみたいに心がけています。気を付けないと、薄いものをどんどん作っちゃうので、良くも悪しくも、数自体はすごいできますね。 I:2年でアルバム3枚を含め、楽曲提供やなんやかんやですごいリリース量ですよね。 S:滅茶苦茶でしたね。去年のスケジュール見返したんですが、1日に3曲作ったりしていて、ホントにヤバいぞって(笑) T:1日で3曲?すごい! S:例えば、とある週の金曜日に納期の仕事があるんですが、月から金まで、誰かのツアーのサポートで、地方でライブや移動があって。金曜日の夜には東京に帰ってこれるんだけど、そこからじゃ間に合わないので、ツアー中、新幹線の車内やホテルで作って完成させるとかザラにありましたし、でまた、二日休んで次の週から地方に行くので、自分のアルバムの曲をこの間で作らないとダメで、ばぁーっと作って。そのあとにもその週末納期の曲が数曲あるんで、地方でライブやって打ち上げ行って、ホテル戻ってからとりあえずアイデアまとめて寝て。起きて会場行ってリハやって、本番までの空き時間で、それをブラシュアップして、なんてことをやっていましたね。でも、もうやりたくないですね。(笑) T:(笑)でも、それができるのがすごいですよね。 S:間違いなくきつかったんですが、自分ができる最大限やりきることへの欲求はすごいあったと思います。サラリーマンやりながら、音楽やってる期間が二足のわらじゆえの醍醐味みたいなのもありましたが、実際精神的にものすごくしんどかったんです。音楽だけでやって行くぞってずっと思っていたんで、そこへの執着はあるかもしれないです。けど去年みたいなスケジュールだと、時間的にも精神的にも余裕がなくなっちゃうから、上手くバランスとっていけたらいいよね、なんて話していたらコロナ禍になって。
I:今後の活動ですが、今も曲作りは沢山してると思うのですが、コロナが終息したら、またライブ活動を再開させるのですか? S:そうですね。配信ライブをいくつかさせていただく機会があって、生には生の臨場感があるし、配信には場所を選ばないで楽しめる良さがあると思うし、それぞれに特性があると思うので、いろんなやり方でライブ活動はやっていきたいですね。 I:メディアも、ここ最近は増えていて、やり方は色々な方法がありますよね。 S:そうだと思います。所謂インディペンデントでやってる人たちが、本当のカルチャーの中心になってきていると感じてます。身の回りの人たちでも、こうやったらいいんじゃないの、みたいな会話から実際に動き出すまでの時間がめっちゃ短いし、思いついたものがすぐにできるし、フットワーク、アイデア次第で軽くいろんなことがやっていける状況なんで、ありがたい時代だなと思います。 I:そういう意味では、アイデア勝負の時代になってきていますよね。機材やソフトを使いこなせるのが当たり前になってきていて、技術に対するプライオリティーが低下している。 S:だからこそ、ローファイヒップホップに回帰してるという部分を、オリジナリティにしてるジャンルが出てきてるのも、そこだし。 I:いかにデジタイズさせないか、温かみが出せるか、みたいな。 S:DAW(音楽制作ソフト)を触った時の一発目に、ぶち当たる壁が、めちゃくちゃ打ち込みっぽくなるってとこなんですよ。グルーブ、硬って、なっちゃうんですよ。そこを突き詰める人もいるんですが、僕は、どうやって生音っぽくしてやろうか、って考える、その壁がめちゃくちゃ厚かったですね。だからこそ、ヒップホップのようなヨレる良さのある音楽に惹かれたんだと思います。他人のインストものを聴いてる時でも、打ち込みで作ってるんだろうけど、すごい生っぽいな、とか、そういうところに、より実力や表現力が出るなと、思って聴いてます。
I:子供の頃に聴いていた音楽はどういったものですか? S:子供の時は、母親がめちゃくちゃ音楽好きで、音楽の趣味がUKだったんですよね。ビートルズに始まり、オアシスもそうだし、スティングとか、ポリスとか、家でずっと流れてて、幼少期、音楽っていうのは、ずっとそれだと思っていたんですよね。小学校の時に友達と流行の曲の話になって、J-POP全く分からないってなって。スピッツとかミスチルはさすがに知っていたのですが、それ以外は全くって感じで小学4,5年生の頃に、アークティック・モンキーズのアルバムを初めて買って、それと同時に平井堅も買って。アークティック・モンキーズは周りは誰も知らなかったので、完全に趣味で、平井堅は友達と話し合わすためにみたいな。その後、中高生の頃はオルタナロック、パンクにめちゃくちゃはまって、フェスとか行ってて、その流れで、DJというカルチャーに出会って、楽器も弾かないのに、めっちゃカッコよくて、それが新鮮で、そういう人たちを掘っていた時に80KIDZやTAARさんを知って、で大学生になってクラブとかに行くようになって、ダンスミュージックにはまって、そのちょい後くらいに、ブラックミュージックにはまって、というところに繋がっていきます。音楽遍歴で言うと、意外となんでも聴いてたのですが、J-POPだけはほぼ聴いていなかった。でも、今は逆にJ-POPをめちゃくちゃ聴いてます。 I:そこを通っていなかったから、新鮮に感じるってのは、あるんじゃないですか? S:そうですね。新鮮に聴けるし、POPSって、すごい情報量多いな、って思って。やはりプロの仕事っていうか。すごい縦ノリの曲だったのに、突然R&B、ソウルっぽくなって、サビになったらいきなり打ち込みになって、みたいなジェットコースター感。それと、メロディーがすごい綺麗だなとか、そういうのをすごい新鮮に聴けますね。
I:若いから将来が楽しみですね。 S:ありがとうございます。とはいえ僕よりも若くて努力家で才能ある人なんて、無数にいるので、その中で自分の市場価値っていうか、そういう人たちがいる中で、自分がどういうものを生み出して、発信していけるか、社会と繋がっていけるのか、というところをすごい考えています。必死にやんなきゃヤベーみたいな感じです。
I:最後にUGGについて、履いた感想をお聞かせください。 S:スニーカーが好きで、ローテクスニーカーや、90年代スニーカーなんかはよく履くのですが、UGGに関しては、それらの要素が履きやすさの中でミックスされてるなという印象でした。アッパーデザインはベーシックなスポーツテイストなんだけど、ソールがゴツめでアウトドアチックで、そう言ったところは独特だなと思いました。靴単体で見た時はあまりこういうの履いたことが無いな、似合うかな、と思っていたのですが、履いてみたら実にしっくりきました。 I:サンダルも選ばれていましたけど、サンダルはいかがでしたか? S:単純に、モノとしてのクオリティーが高いなって思いました。フットベッドの革がすぐに肌に馴染む感じとか、心地よかったです。天然素材が好きなので、長く愛用したいと思います。
Shin Sakiura
東京を拠点に活動するプロデューサー/ギタリスト。バンド活動を経た後、2015年より個人名義でオリジナル楽曲の制作を開始。エモーショナルなギターを基としながらもHIP HOPやR&Bからインスパイアされたバウンシーなビートとソウル~ファンクを感じさせるムーディーなシンセ・サウンドが心地よく調和されたサウンドで注目を集め、これまでに『Mirror』(1stアルバム/2017年10月)、『Dream』(2ndアルバム/2019年1月)、『NOTE』(3rdアルバム/2020年3月)、3枚のフル・アルバムをリリースしている。また、SIRUPのライブをギタリスト/マニピュレーターとしてサポートし、SIRUPや向井太一、s**t kingz、showmore、Rude-α、みゆな、iriの楽曲にプロデュース/ギターアレンジで参加するなど活躍の場を広げ、アパレルブランドや企業のPV、CMへの楽曲提供も行っている。
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